ブレとピントを完全攻略
手ブレ、被写体ブレを防止する

ブレた写真は全体的にぼやけてしまい綺麗ではありませんし、細部まではよく判らない写真になってしまいます。
ブレは体の揺れや手の揺れによって起きることが多く、この状況を手ブレと言います。手ブレはシャッタースピードが遅くなる辺りが暗いところで発生することが多く、木陰にひっそりと咲く山野草や岩陰に咲く高山植物の撮影においてもよく起こるブレです。通常50mmレンズで1/60秒程度までが手ブレの起こりにくいシャッタースピードと言えます。機種によっては手ブレしそうなシャッタースピードのときには警告が表示されるものもあるようです。
レンズは広角になるほど遅いシャッタースピードでもブレが目立ちにくく、望遠になるほどブレやすいため早いシャッタースピードが必要となってきます。マクロ機能を使うときのブレ防止の一番の解決策は三脚を使うこと。面倒がらずにカメラ側のブレを防止しましょう。
また、三脚を使っていてもブレは起こる可能性は無きにしもあらず、シャッターボタンをやさしく押したり、レリーズを使用したり、セルフタイマーを利用したり、ISO感度を高く設定してシャッタースピードを早くすることで極力ブレを発生しにくいように心がけましょう。
花自体も風の影響で揺れていますので、揺れた瞬間を撮ってしまうと被写体ブレと言う状況になります。この被写体ブレはお花畑を吹きぬける風などをイメージして撮影する時にはひとつの表現方法として使われますが、花をシャープに撮りたいときにはちょっと根気を持って風が緩むまで待ち、止まった瞬間をすかさず捕えましょう。
また、ブレてはいないけど、撮りたい被写体がぼやけていて、どこかにクッキリと写っている部分があるなら、それはピンぼけと呼ばれるピントが撮りたい被写体に合っていない状況です。次に挙げる点を参考に防止してください。

デジカメはピント合わせが難しい
ピントの合わせ方も小さな被写体を撮影しようとするマクロ撮影時には難しいものです。手の揺れによっても、風で被写体が揺れることによっても、少しの揺れでピントがクッキリと合ってくれません。デジタルカメラの大半はオートフォーカス(自動ピント合わせ)になっていますので、微妙なピント合わせがとても難しく、またマニュアルフォーカスにおいても目測で距離を設定する機種がほとんど。その上ファインダーが小さく実際に撮影できる範囲ともかなりズレますし、ピントがどこに合っているのか確認できないことが多いです。このままで綺麗に撮影するは至難の業なのです。
花を綺麗に写すには、まずは次に挙げるデジタルコンパクトカメラ独特のピント合わせの方法をマスターするのが先決です。がんばってマスターしてくださいね。

コンパクトデジタルカメラ専用ピント合わせ方法
1.デジタルコンパクトカメラのマクロ撮影ではファインダーではなくカメラ背面に設置されている液晶モニタを最大限に利用します。液晶モニタに映し出される映像は、実際に撮影できる範囲とほぼ同じでピントが合っている場所もわかります。
2.デジタルコンパクトカメラにはフォーカスロックと呼ばれる機能が付いていて、シャッターを半押しすることによってピントを固定し、さらにシャッターを押しこむと写真が撮れる構造になっています。まずは撮影したいアングルでピントを合わせたい位置でフォーカスロックします。
3.そしてシャッターは半押しのまま、今度は美しく見えるように被写体を配置しつつカメラ自体をごく微妙に前後させてピントを合わせたい部分にピントがシャープに合う距離を探します。
4.そして静かにシャッターを押しこむ。

これがデジタルコンパクトカメラでシャープにクッキリとピントを合わせる方法です。
小さい被写体はまずは何か別のものでピントを合わし、その後撮りたい被写体にカメラを向ける
Camera:PENTAX EI-200
ただ、デジカメのピント位置はとても曖昧で、2に挙げたフォーカスロック時に、被写体が小さすぎてオートフォーカスではピントを合わせられない時もあります。そういうときは次のように対処しましょう。
1.ピントを合わせたい位置と同じ距離だと思われる別の物(何でもかまいません)にカメラを向け、とりあえず仮にフォーカスロックする。
2.またカメラを撮影したい被写体に向ける
3.そして、上に挙げた3の動作に移ります。

デジカメのピント合わせには三脚とフォーカスロック、液晶モニタを最大限に活用しましょう。その一連の動作においてもブレないように息を止めおくようなシビアさが必要でしょう。サッとピントを合わせてパッと撮る。マクロ撮影はカメラの操作にキビキビとしたスピードとカメラポジションの安定が必要なのです。
また液晶モニタをほぼ点けっぱなしで撮影しますので、充分な電源の確保も必要です。充電池を多めに用意するか、これからカメラを買い換えようという方は単三電池が使える機種を選択するとランニングコストが低く抑えられて賢明です。
花の撮影ではシベの部分にピントを合わせるのがセオリーになっていますが、作品的に撮るならセオリーにはあまりこだわらなくてもいいでしょう。見せたい部分に合わす・・それが適位置のピントと言えます。

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