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200mmまでのレンズで写せる天体
カメラのレンズは天体望遠鏡には比べ物にならないくらい焦点距離が短いです。被写体はかなり小さくしか撮影できません。大きな星雲の写真を作るには、引き伸ばししてトリミングすることが必要になります。でも、カメラのレンズは色相の再現に優れていてとてもいい色に写り、広範囲の撮影には最適です。
ここでは簡易赤道義・ビクセンGPガイドパックをガイド無しで使った時の、カメラレンズの限界と思える画像をご紹介します。


オリオン座のレンズによる写野の違い
50mm 200mm
焦点距離の違いによる星座の写りかたの違いです。200mmだと星雲の形が分かるまでに写ります。広角レンズは広範囲の撮影で、星座や流星の撮影に、望遠レンズは星雲などのスポット的な撮影ができます。
馬頭星雲
M42オリオン大星雲

アンドロメダ大星雲
秋の星座アンドロメダ座の、言わずと知れたアンドロメダ大星雲です。大気の状態のいいときなら、うっすらと肉眼でも確認できます。フィルムはフジのSuper800、210mmで14分の露光でここまでクッキリと写し出すことが可能ですが、光害のない澄み切った夜空が必須条件でしょう。

プレアデス星団

プレアデス星団、通称「すばる」です。180mmレンズ、F5.6で13分撮影。レンズにはアクロマートとアポクロマートがあり、このレンズはアポクロマートです。色再現に優れていて、「すばる」の青いガスのようなものまできれいに写ります。また、フィルムの種類によっても、再現される色が違ってきます。これは、既に販売中止になっているフジのスーパーエースG400で撮ったものです。
「すばる」は秋の夜空では、真上に見える星座?で、見付けやすいのも特徴です。スバルとは、清少納言の時代から「すまる」という、星が集まっているという意味の言葉から出たそうです。


小惑星セレス

カメラレンズでもここまで写せるという例です。
左の一番明るい赤い星がおうし座のアルデバラン。その上に、地球の小惑星セレスが写りました。
180mm、F5.6で13分の露出。フィルムはやはりスーパーエースG400です。ピント合わせさえうまくいけば、かなり小さい星でも撮れるっていう、確証ですね。アルデバランの右にはヒアデス星団も見られます。
でも、星団や星雲の撮影には、やはり長い焦点距離で、明るいレンズが必要ですね。


M51(NGC5194)子持ち星雲

ピント合わせや、星雲の位置関係がきっちりと分かれば、大口径でないと写らないものも、ようやくそこにあることが確認できるようになります。左の写真は子持ち銀河です。肉眼では全く確認できません。出来れば天文台で、観望会を開いているところがあるので、ぜひ実際に見てみたいもんです。
200mm、F5.6で14分。フィルムはフジのスーパーHG800を使用。


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