山代温泉のおもてなしの宿 2004年10月31日・11月1日
ネットで旅館を予約して、久々に家族揃って温泉旅行に行ってきました。つい先日まで試験勉強で時間がなく、何の下調べもせず・・^^;

高速をひた走り一路北陸へ。とりあえず行けばなんとかなるさ。(笑)
陶芸村の中にある陶芸館 高そうな作品が並ぶ こんな花生けも
今回の旅の目的は焼き物。まずは越前焼を拝見。ナビを見ると陶芸村なるものがあるのでそこに向かう。陶芸村には窯がいくつもあり、陶芸家を目指す人たちの指導所もあった。窯も見たかったが日曜日は見ることが出来なかったのであきらめる。
途中で寄ったそば屋
陶芸館という、越前焼の作品販売店に入ると、見事な自然釉がかかったものや焼き締め風のいかにも高そうな作家の作品が陳列されていた。その傍らには300円程度で販売されるぐい飲みなどが、なんとも無造作に置かれているのがちょっとかわいそうだった。
今日は作品を買うのが目的じゃないんだな。窯が見れないので長居は無用。(笑)

今度は和紙の里とかいうところに向かう。途中、そば屋さんを見つけて昼食にした。手打ちで評判なのかよく流行っている。う〜ん、そばの香りは凄く良いんだけど・・そばにあまり縁の無い和歌山県民にはガチガチと噛み切れないほど硬いような気がした・・手打ちのそばってこんなものなんだろうか?^^;
食べ終わって再び和紙の里を目指そうとするが、今まで車の中ではしゃぎ回っていた甥っ子の様子がちょっとおかしいので額に手を当てると熱い。そば屋さんで薬屋さんの場所を聞き、体温計で計ると40度を超えていた・・
結局この日の観光は全て取り止めにして、とりあえず早々に旅館に向かった。

到着! 旅館全体 旅館秘蔵の作品が並ぶ 足元は全て桐が敷かれる
高速を降り、国道8号線を横切ってしばらく走ると山代温泉街に到着。看板を頼りに今日の宿、たちばな四季亭に到着。
宿の方々と四季の移ろいを感じさせてくれる生け花が出迎えてくれた。床は全て桐が敷き詰められ、スリッパもない。裸足で歩くと気持ち良さそう。
1階にはお土産屋さんと広いラウンジがあり、開放感があってなんとも贅沢な造りだ。

漆塗りのような部屋の扉 大名気分ですね♪
部屋に案内されると、部屋の扉はまるで漆塗りのような造りに驚く。部屋に入ると備前、信楽など様々な焼きの椀で上品な抹茶と和菓子でもてなしてくれる。部屋は12畳、4.5畳、3畳の三つとウォシュレット付きトイレ、お風呂が完備されていた。フスマの取っ手まで九谷焼で出来ているのが何とも贅沢。
さっきから甥っ子の体調が悪いので旅館の方に救急病院を紹介してもらったが、その病院まで送ってくれると言うのでご好意に甘えることにした。何ともありがたいことに、女将さんが直々に送ってくれることになった。感謝の至り・・

フスマの取っ手も九谷焼 風呂には川が流れる
診察が終わるまで、やはり家族としては気が気でなく、観光する気になどなれなかったが・・動揺していても仕方がないので風呂に入ることにした。
1階に下りると風呂の入り口には川が流れる。ここは山代温泉の源泉に程近く、湯温の調整もしない、いわゆるかけ流しの風呂なのだ。それゆえ冬は少しぬるく感じることもあるが今の時期にはちょうど良い温度になっている。今日の湯温はおそらく42度程度じゃないだろうか、ぬるい好きの関西人にはほんの少し熱く感じる温度。
さあ夕食だ!
風呂上りには脱衣所に立山連峰の自然水が用意され、自由に飲むことが出来、またラウンジでは自家製のシャーベットをいただける。

部屋に戻り、しばらくすると甥っ子が病院から帰ってきた。結局診察中もずっと女将さんが付いてくれていたそうだ。暖かいご好意に感謝の一言です。

さて、そうこうしているうちに夕食の時間になった。
会席なので一品づつ持ってきてくれる。とりあえず全部写真に撮っておいたのでどんな内容かご覧ください。^^;
前菜。マグロの酒盗とクリームチーズが良く合う。貝は梅貝(ばいがい) 秋刀魚の何とか・・あまり覚えてません・・^^; 刺身。添えられているのはおそらく大根の芽だと思う。 蒸し物。なんだか判らないけどおいしいものですね。
ブリのたたき風のおすし。納豆醤油で美味。おしながきには載っていなかった。 金箔とあんかけがかかる煮物。これもなかなかうまかった。 これはー・・焼きナスと・・いろいろ載ってました。(笑) おしながきには焼き魚と書かれているが、これは鯨のサラミかな?
てんぷら。添えられる塩は竹から採れる塩なんだとか。 酢の物。おいしそうに見えるけど・・わたしゃキュウリなどのウリ系と酢の物がダメ・・ 石川産コシヒカリと漬物。小茄子のからし漬が絶品。3杯食べました。(^^ゞ デザートのアイスクリーム。あんず、いちじく・・

白銀(しろがね)屋 あらや滔々庵 足湯に浸かってみた
食事も済み、また風呂に入ってきた。ここは24時間好きなときに入ることが出来る。温まったところで夜の温泉街を歩いてみた。
ここ山代温泉は、その昔北大路魯山人が滞在し、陶芸を学び開眼した地である。その頃福田大観と名乗り、掛け軸などの名作を多く残していた魯山人はこの地に辿り着き、吉野屋旅館当主、陶芸家・須田菁華などの手ほどきで九谷焼に興味を抱く。吉野屋が用意した別荘を仕事場(いろは草庵)に魯山人は山代温泉に滞在し、看板を彫る仕事の傍ら、半年間陶芸家・須田菁華に陶芸を教わった。周辺の宿の主人たちとも交流を深め、宿の看板を彫ったりしている。
源泉にある共同浴場 石の人形が並ぶ歩道
魯山人ゆかりの宿は現在も残り、魯山人と交流のあった宿が集い、彼の残した作品を展示する博物館も作っている。今回宿泊したたちばな四季亭は、その魯山人の萬居(いろは草庵)のすぐそばにあり、当時は田中屋と名乗る宿だったそうだ。看板は魯山人の手彫りであることからも、やはりその当時のご主人はかなり交流が深かったことが伺える。

源泉の辺りを歩いていると白銀(しろがね)屋、あらや、山下家など、魯山人と交流のあった宿がひしめき合うように建っている。その真ん中には共同浴場があり、良く賑わっている。話によると朝は開店前から人が並んでいて、その並び方にも地元の暗黙の了解なのか、誰が一番で、誰が2番・・きちんと順番があるのだそうだ。温泉に息づく昔からの風習、人々の日々の営みはいつまでも続くのである。

いろは草庵・魯山人萬居
11月1日(月)。
甥っ子の熱は少しはましになったが、まだまだ高いので今度は小児科を紹介してもらい、受診することにした。夕食と言っても過言ではないほどに豪華な朝食を食べて早々に宿を発つ。
甥っ子の受診の間、山代温泉界隈を散策していた。旅館のすぐそばにある魯山人の萬居跡(いろは草庵)に行ってみたが月曜日は休館日で入ることができなかった。
サービスエリアで一服 海はどんより、空は綺麗だ
国道に出てみると九谷焼を販売する店が並んでいるので入ってみた。店の中には焼き物がところ狭しと並び、値段はピンからキリまで。作家の作品のコーナーはガラス張りのショーケースに陳列されている。中でも人間国宝・徳田八十吉の作品が目を惹く。中にはン・千万円の作品もあった・・。^^;
甥っ子の診察が終わったとの連絡で迎えに行き、今度は金沢に向けて走った。

市場の賑わい 「のどぐろ」はアカムツのこと
高速を降り、近江町市場へと向かう。とりあえず昼食だ。
駐車場近くの薬屋で甥っ子の薬を買い、向いのすし屋で定食を食べた。昨日の山代温泉の刺身と比べても、これは断然うまい。さすが市場に近いだけはあるな・・
市場の中は大きすぎて自分がどこにいるのか判らなくなりそうなくらい・・もう迷路のように広いし凄く賑わっていた。
店を見ているだけでも飽きない。野菜はやはりこの気候、ちょっと高めだな・・ブリを発酵させた「かぶら寿司」は計り売りされているんだな・・金時草(きんじそう)?何それ?・・
何とか入ってきた入り口に辿り着くことができ、入り口の魚屋で「のどぐろ」の一夜干しとイカの丸干しを土産に買った。

ひさびさの兼六園 冬支度ですね ちょっと色付いてきた
金沢に来たからにはやはり兼六園に寄って行こう。今日11月1日から雪吊りが始まる。唐崎の松に雪吊りが施されるのは冬の風物詩だ。
作業中でした
ってことで兼六園です。車高が高くて駐車場に入れなかったので100円パーキングに停めて上坂口から入る。
おー、やってるやってる・・唐崎の松にだけ雪吊りが施されていた。でも、作業はちょうど休憩時間のようだ。そうこうしているうちに雨がパラつく。
寄観亭に辿り着き、あんころ餅と抹茶をいただく。雨は止みそうにない。みたらし団子を車中のおやつに買い、店を出た。
おぉ・・もうこんな時間。そろそろ帰ろう・・。

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