イノシシ騒動?・清冷山 2004年1月20日
清冷山は和歌山県美山村・椿山(つばやま)ダムの南に鎮座し、矢筈岳の東に位置する標高877.9mの深山だ。山に関してはこれと言って資料はないのだが・・山頂からは矢筈岳を展望できるというので登ってみたくなった。
どうやら近畿百名山とやらに選ばれているらしく、囲炉裏の方々のレポをいくつか拝見した。併せて国土地理院2.5万地図を見ると、沢沿いの林道から支尾根をよじ登り、後は頂まで尾根を歩くコースらしいと推測される。とりあえず登ればわかるさっ。
コースマップや登山道途中の写真など、ネット上にはなにも資料はないようなので、この際詳しく掲載することにします。
コースマップ コース断面図
参考コースタイム(休憩含む)
8:30林道入り口-<0:10>-8:40登山口-<0:20>-9:00支尾根より清冷山展望-<0:10>-9:10農林省看板-<0:07>-9:17479mピーク-<0:13>-9:30和歌山県勤労者山岳連盟の看板-<1:00>-10:30山頂-<1:20(大休憩含む)>-11:50登山口

行動時間約3時間20分
清冷山の場所はこちら
※画像をクリックするとちょっと大きめの画像が出ます。

林道入り口 約500mで左手に登山口 藪深く細い登山道
金屋から国道424号線をひた走り、美山村・椿山ダムを目指すと雨が降ってきた。うむむ・・雨の日の植林の中を登るのか・・?考えると何だか面倒になってきた。(-_-;)
でもとりあえず行ってみよう。椿山ダム手前に掛かる笠松大橋の手前で右折、すぐに目指す林道があった。真っ暗な雨の中、狭い林道を走らせると左手に登山道を確認。車を停める所がないので林道入り口まで戻り仮眠したら案の定寝過ごした・・。(^^;
8:30準備を済ませ歩き始める。右手に沢の流れを見ながら林道を500mほど歩き登山口へ。藪の細い登りに取り付く。
支尾根に到着 清冷山が見える・・どれ? 規則正しい植林
藪が鬱陶しい道をジグザグに登ると支尾根に到着。赤青黄色のテープがここかしこに貼られ、一目で登山道と判る。ここからは尾根伝いの歩きのようだ。雑木林の明るい常緑が綺麗。
少し進むと右に展望が開けた。地図とコンパスで方向を確認するとこれから目指す清冷山も見えるはずだが・・どれがそうなのか?(^^;
あ・・そういえばプロトレックを家に忘れてきた・・と今ごろ思い出した。う〜、どれくらい登ったのかあれがないと判りにくい。
尾根の右側には規則正しく育った植林が整然と広がっている。

赤松のプロムナード 農林省の看板 尾根筋の479mピーク
いよいよ山頂へと向かう尾根筋に到達、赤松の立ち並ぶ明るい尾根で山頂へと向かう平坦なプロムナードと言ったところか。時間があればここで一服するのも気持ちが良さそうだ。
と思っていたらまた藪だ・・ツツジ類の硬い枝の伸びる狭い尾根道を歩くと農林省の保安林を示す黄色い看板があった。テープはこれでもかっ!というほどあるが展望も道しるべも無く、どれくらい登ったのかという目印が少ないのでこういったものが目安になるだろう。
さらに藪をくぐるとまた登りに差し掛かる。479mピーク地点を左に見ながら尾根を進む。
うげ〜、藪がひどい・・ 勤労者山岳連盟の看板
さらに登るとだんだん藪がひどくなってきた。腰〜胸くらいまである細い枝が邪魔だ。登りも結構勾配がきつくなる。
左手に和歌山県勤労者山岳連盟の白い看板が目に入った。・・と、そのとき!すぐ近くでガサッバキッバキッと藪を踏みしめる音が鳴る。ほんの3〜4m右手だ。な、なんだ?・・と思い立ち止まると獣らしきお尻が目の前に見え、僕が一歩前に足を出すとその獣は恐ろしく慌てて走り去った・・というより谷に転がり落ちていった。バキバキバキバキッドドド・・ブヒブヒッ。
え?ブヒブヒッ?・・イ、イノシシやったんか?突進されなくてよかった・・(^^;
雪化粧のコケ なかなか綺麗な雪景色
さて、イノシシ騒動もあり、さらにさっきから猟銃らしき銃声があちこちから聞こえてくるので熊避け・・ならぬイノシシ&ハンター避けに鈴を鳴らしながら歩くことにする。どっちもニアミスはもうごめんだ・・。(笑)
だいたい一定の勾配がずっと続く。この付近から辺りには雪が積もりだした。掻き分ける藪の葉に乗った雪が冷たい。足元はもう真っ白だが踏んだ地面はしっかりとしている。
手が冷たくなってきたので手袋を着ける。足元の雪は氷混じりになってきた。コケも雪化粧し、斜面には白い大地が広がってなかなか美しい光景だ。木々の丈が徐々に低くなってきた。
左手の木々の丈が低い 清冷山頂 矢筈岳が一望
山頂は近い。そう考えると足も軽くなる。
左に自然林、右に植林の登りを凍りかけた雪を踏みしめながら登りきると清冷山の山頂に到着。山頂も雪が積もっていた。展望は木々の狭間から一方向のみだ。
その展望にはちょうど矢筈岳がフレーミングされていた。遠くに見えるのは真妻山だろうか。今朝の雨のおかげでか、海までくっきりと見ることが出来た。
冷えた体を熱いコーヒーで暖め、しばし独りの喜びを楽しみ、山頂を後にした。

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