近畿最高峰・八経ヶ岳 2002年 6月 4日

今日は日ごろ仲良くして頂いている良太さんとの撮影会だ。徳島からわざわざきていただくこともあるし、関西の著名な山をご案内することとなった。
新緑を目当てに日本百名山のひとつで近畿最高峰の八経ヶ岳を案内することとなったが、はたして・・

コースマップ コース断面図
コースタイム
5:00行者還トンネル西口→6:20奥駈道出合→7:05弁天の森→7:25聖宝宿跡→8:30弥山小屋→8:35弥山神社→9:10八経ヶ岳→10:00国見八方覗→10:35聖宝宿跡→11:20弁天の森→11:35奥駈道出合→12:35行者還トンネル西口
※黒フチ画像をクリックするとちょっと大きめの画像が出ます。

登山道の始まり
急登の脇には新緑が鮮やか 太陽に照らされ、とても綺麗
3時半起床でキャンプ場を後にする。5時、登山届を出して登山開始。今日も天気は良さそうだ。期待に胸を膨らまし歩き始めるが、うっ・・腹が痛い・・。ちょっとキジ撃ちに。(^_^;)
調子のすこぶる良くなったところで(笑)早速山に取り付く。出始めから急登だ。相変わらずキツイ・・。しかし辺りの森は、予想をはるかに越え素晴らしく綺麗だ。しんどいが、綺麗な森を見つつ歩くと足取りは軽い。
オオヤマレンゲの時期に毎年のように登っていたが、新緑の時期は今回が初めてだ。こんなに綺麗だったのかと目を疑うほど緑に魅了された。
やがて太陽が昇り、木々は光に包まれて輝きだした。疲れもあるが、何度も足を止めて上を見上げる。

木が木に取り付く様 奥駈道との合流
木々の美しさに目をやっていると、いつの間にか稜線に到達した。
ここで大峰奥駈道と合流することになる。本山の山上ヶ岳から釈迦ヶ岳・前鬼まで?を結ぶ古の縦走路だ。はるか昔の行者もこの険しい道を歩いたのであろう。今では世界遺産に登録されようと、地元の方々ががんばって整備してくれている。
合流点にはシロヤシオが咲いていた。ちょっと時期が遅かったかな?という感もあるが、あくせくと登ってきたあとに白く清楚な花を見るのは、心が浮かばれる気分だ。
ここでちょっと小休止にしよう。約500mを一気に登ってきたんだから、バテないうちに水分と行動食をこまめに摂っておくことにする。

「シロヤシオ散る頃」 コケ生す稜線は興味深い
この稜線歩きは本当に気持ちがいい。だらだらと距離が長いが、森が心地よくてそんなに苦にならないのがまたいいなぁ。
少し歩くと、シロヤシオの花が苔生した台地に散っていた。コケの生える緑の地面に花が咲いたようでとても綺麗だった。昨日入った天川の食堂で、店のおっちゃんが見せてくれた地元のプロカメラマンの写真集の真似をして一枚撮ってみた。(笑)
大峰ではいつも不思議に思うのだが、悪天には強い風の吹き抜けるであろう稜線にもかかわらず、コケ生した風景が広がっているのは興味深い。それだけ木々が豊富で風から守られているのだろうか。

弁天の森 弥山と八経ヶ岳が見えた
コケ生した緩やかな坂を登ると、弁天の森ピークを踏む。
真新しい標識が目に飛び込んでくる。森は相変わらずすばらしい光景を見せてくれる。この付近は本当に気持ちが良かった。
気持ちがいいと、気分が乗ってくる。前に出る足も気づかないうちにとても速くなる。
突然視界が広がり、空は真っ青だ。ちょっと首を上げると弥山・八経ヶ岳の山容が見えた。遠望するとまだまだとても距離があるように感じるが、時間的に言えば、約1時間だ。
さすがに近畿最高峰は大きいなぁ〜。

聖宝宿跡 再び登りにかかる
これから再び登りに差し掛かる。その前に聖宝宿跡で一服しておこう。
座って脚を休めていると、近くにマムシグサが生えていた。大普賢岳で見た物とは色が違う。カントウマムシグサなのだろうか?

シダが群生する
再び登りに掛かると、つづら折れの長い道が続く。木々の隙間からは大普賢岳周辺の山々が見える。葉を透過する緑の光に包まれた斜面はバイケイソウやシダの群生が広がり、視界は緑一色となる。石の多い斜面で歩きにくい。

台高の山々と奥駈道が一望
少し展望が開けた。バイケイソウの群生とともに遠く台高の山々が見渡せる。
登山道には測量の目印であろう赤白の金属ペグが等間隔?に設置され、ペグには番号が打ってある。No.41、No.40、No.39・・と、登るほどに番号は若くなっていく。どうやら弥山小屋付近からその番号は始まっているようだ。キツイ登りだが、何だか弥山山頂へのカウントダウンのようで、数えていると気が楽になる。
そして弥山小屋の自家発電機の機械音が近づいてきた。あとちょっと〜・・

ようやく弥山小屋到着 鳥居から八経ヶ岳を望む 弥山山頂の弥山神社
坂を登りつめると弥山小屋に到着した。小屋周辺は平日にもかかわらず登山客で賑わっていた。
八経ヶ岳を横目に見つつ小屋からなだらかな道を少し登り、とりあえず弥山山頂を踏む。山頂は弥山神社だ。ここだけなぜかシャクナゲが綺麗に咲いていた。
今回の山行の無事を祈願し、休憩を後回しにして早々に八経ヶ岳へ向け、奥駈道を少し下る。

以前なかった階段が
ガレた下り坂を降りると、以前はなかった階段も設置されていた。この付近はオオヤマレンゲの自生地として天然記念物に指定されている。広い尾根でとても気持ちのいい風が吹き抜け、足元には様々な小さな花が咲いているのをよく見かける。
右手に頂仙岳を見ながら、登りに差し掛かる。木の階段と鹿避けフェンスを抜け、オオヤマレンゲの保護地区へと入る。オオヤマレンゲの木には出始めのまだ硬いつぼみがちらほらと見えるが、花はまだまだ先のようだ。あと3週間くらいかな?

近畿最高峰でにこちゃん
山頂は人でいっぱいだった。ちょっと霞がかかるが綺麗に晴れ渡った空は青く、展望はなかなかいい。北には山上ヶ岳、大普賢岳、そしてすぐ近くにさっき登った弥山、南に釈迦ヶ岳が見える。奥駈道を一望だ。稲村ヶ岳は弥山の陰で残念ながら見えない。
とりあえず山頂にこちゃんを撮らなきゃね〜。さすが近畿最高峰だ。数年前に立てられた山頂の看板もデカイ!にこちゃんが小さく見える(笑)

良太さんは脚を痛めてしまっているようだ。歩き方も少しおかしいが、膝が痛いようだ。時間はたくさんあるから休み休みゆっくりと下ることにしよう。

国見八方覗の展望 やはり緑は鮮やかだ
ゆっくりと歩き、弥山に戻る。国見八方覗で少し休憩し、展望を楽しみつつ脚を休める。
膝を曲げても痛いようだ。ゆっくりゆっくりと下る。何度も休憩を繰り返し、12:35下山することができた。
脚を痛めながらも良太さんは撮影に夢中になったり・・(^_^;)
それくらいにこの奥駈道の森の新緑は魅力的なのだ。
世界遺産に登録できることを僕も願ってます。
もどる