新緑の大普賢岳周遊 part2 2002年 5月11日

和佐又ヒュッテから大普賢岳にかけての森は大木が折り重なり、新緑と紅葉の時期が見事だ。
2年前に歩いたときも紅葉が見事だったが、今度は新緑を・・と思いつつ、なかなか行けなかった。今回は念願を叶えるべく、和佐又山〜無双洞付近の新緑の撮影を目当てに、周遊コースを歩いてみた。
コースマップ コース断面図
コースタイム

大普賢岳山頂9:00→9:35稚児泊→10:45七曜岳→12:00無双洞
→12:45底無井戸→14:20和佐又のコル→14:50和佐又ヒュッテ

まだ葉のない木々 尾根を左へと
大普賢岳山頂を後にし、奥駈道を七曜岳へと向かう。この辺りは笹で覆われ、和佐又とは違った雰囲気だ。新緑にはまだ早いようで、木々には葉が少ない。時折鹿の鳴き声が聞こえるが、姿は見えなかった。

鎖が連続する
霧が深くなり、鬱蒼とした印象で、奥駈道の険しさを物語っているようだ。水太覗からは普段は大普賢や小普賢が良く見えるが、今日の霧では展望はなかった。
左の尾根へと進路変更し、内侍落し付近では鎖場が連続する。ここも見えるのは風に流れる霧だけ。真っ白で展望はなかった。
しかし鎖が多い。息の抜けないコースだなぁ。

稚児泊付近の苔むした風景 あぁ・・ソールが・・
鎖場を経て、苔むした風景が広がってきた。濃霧と相まって、大峰の雰囲気を満喫できる。
この辺りから靴の裏がペタンペタンと音を出した。稚児泊に到着し、靴を見てみると右足のソールがつま先から剥がれていた。もう7〜8年近く履いてるから、ソールの接着剤に寿命が来てしまったのだろう。このままでは歩けそうにない。
何か巻きつける物があれば・・しかし、今日に限って細引きを持ってきていない・・。リュックの中を物色してみるが、うってつけのものが見当たらない。う〜ん・・どうしよう・・
考えた挙句、仕方がないのでカメラのストラップを巻いておいた。
トリカブトの一種・カワチブシが沢山芽を出していた。緑がとても鮮やかだ。

岩尾根を行く
苔むした新緑が最高!
ストラップを巻くと何とか歩けそうだ。緩めばまた絞めればいいだろう。
稜線にかかわらず苔むした大地が続く。コケの緑と新緑の緑とが霧の中に浮かび上がり、とても鮮やかだ。
道は岩尾根に変わってくる。足場の狭いところには木の橋が掛けられていた。

七曜岳は岩峰。切り立った岩が印象的
鎖に掴まり、岩を登ると七曜岳に到着した。
ここでちょっと早い昼食を摂った。
定番のサッポロ一番塩ラーメンにコーン缶を入れてすすっていると、何やら左足がおかしな感覚だ。ま、まさか・・(^_^;)

があぁあぁ〜ん・・( ̄□ ̄|||)
そのまさかだった。左足のソールも剥がれていた。
さっきと同じように、もうひとつのカメラのストラップを巻いておいた。
両方とも剥がれるなんて、なんでやねん・・(-_-;)
歩くのに時間がかかりそうなので、ラーメンをすすり終えると早々に出発する。

奥駈道と分岐し、和佐又へ この辺りには池が沢山ある
七曜の岩峰を下ると、奥駈道とはここで別れ、進路を左にとる。真っ直ぐ行けば行者還岳だ。いつか行ってみたい。
ここから沢まで標高差約600mを延々と下る。考えただけでもしんどくなってくる・・。
しかし、新緑を眺めながらの下りはそんなには苦にならなかった。

まぶしいくらい・・
どこまでもどこまでも下っていく。まるで奈落の底に吸い込まれるように下り坂は延々と続く。
標高1200m付近でようやく沢の音が聞こえ出した。が、そこからなかなか沢が近づいてこない。足はもうガクガクで膝が笑いまくっていた。

滝と新緑が綺麗! 水の流れ出す無双洞
そしてようやく水口谷まで下ると水簾の滝の上に出る。滝を上から見るのもなかなか面白い。その上にもいくつもの滝が折り重なり、とても涼しい感じだ。
滝の落ちる音と辺りの新緑で、全身にマイナスイオンを浴びて爽快感はこの上ない。昼食がラーメンだけだったので、ここでおにぎりをほうばり、ゆっくりと過ごす。2年前からお目当てだった滝のスローシャッターが撮れたので大満足です!
飛び石を渡る
そのすぐそばには無双洞があり、洞窟から水が流れ出していた。
存分に撮影したあと、タオルを水で濡らして汗をかいた体を清めた。う〜ん、これがめっちゃ気持ちよかったのだぁ〜!
水簾の滝の真上に架けられた飛び石を渡り、対岸に渡ると、水簾の滝が一望できた。

さあ、ここから和佐又のコルまでひたすら登りだ。しばらく歩くと巨岩のゴロゴロと転がる涸れ沢が現れる。水の音が上流で聞こえる。どうやらこの地下に水が流れているらしい。この付近でとうとう両方ともソールが完全に剥がれてしまった。ソールの内側はウレタンのクッションになっていたので、こういった岩場では案外滑りにくかった。
ここから登りが始まった。まずはロープ伝いに急坂を、そして鎖が現れ、疲れきった足に這い登ることを強いられる。

底無井戸 新緑が鮮やかな大地
鎖と岩を掴む登りが続き、息をつく暇もない。疲れている体には本当に地獄のようだ。
ようやく壁をよじ登り、鎖の手すりから覗き込むと底無井戸が壁の下にポッカリと口を開けていた。中は真っ暗で本当に底無しという印象だ。
鎖場が済むと今度は急坂が連続した。もう勘弁してくれ〜・・
ようやく傾斜が緩やかになると、辺りの新緑は鮮やかさを増した。
ここからは和佐又のコルまで延々とだらだらしたごく緩やかな登りだ。気が楽になるとともに新緑に目を奪われる。

やっとコルに帰ってきた やはり大普賢は霧の中
延々なだらかな登山道を歩き、14:20ようやく和佐又のコルに帰ってきた。前回もそうだったが、ここに帰り着くと物凄い安堵感に浸ることが出来る。
ブナやミズナラの新緑に包まれ、いつまでものんびりとしたい気分だったので、水分を摂り、ゆっくりと休憩した。充実感と安堵感でいっぱいだ。とっても気分がいい♪
半袖でいると少し寒くなってきたので、和佐又ヒュッテに戻ることにした。途中、大普賢岳の見える台地まできたが、やはり大普賢岳は雲の中だった。
ヒュッテでご主人とちょっと話をして、帰途についた。


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