琴の浦・温山荘園 2001年 4月22日

そろそろ新緑が目に鮮やかな季節。午前中に用事を済まし、午後より「黒江塗り」と呼ばれる漆器で有名な和歌山県海南市にある「温山荘」の日本庭園に散歩に行きました。

万葉の昔から景勝の地として知られ、多くの歌にも詠まれてきた海南市は古のロマンを彷彿させる風光明媚な地であり、多様な観光資源を持つ町・・とパンフレットに書いていました。(笑)
この日本庭園は新田長次郎(明治21年、日本で初めて動力伝達用革ベルトを製作した新田帯革製造所の創業者。愛媛県生まれ。)により造園され、今もとても綺麗に管理されています。1万8千坪の庭園は「潮入式池泉回遊庭園(しおいりしきちせんかいゆうていえん)」と呼ばれ、庭園内に海から引いた池の水が、潮の干満に応じて水位が上下する、大変珍しい造りになっています。正門で料金400円(ちょっと高い・・。)+駐車料金一日500円を払い、長い参道のような庭を抜けると、銅像が立っていました。

昨日から少し肌寒い風が吹く中、日の当たる場所にはツツジの花が咲き、暖かみを感じます。敷石に従い、順路へと足を進めていきます。

柔らかい日差しの中、ゴヨウマツの新芽が鮮やかに浮かび上がっていました。
「温山」とは、新田翁の雅号だそうです。当初は翁の健康維持のために使われていたとか。やっぱ昔も今も、¥持ちは違うねぇ〜。

庭園は4つの大きい池で成り立ち、池を巡るように順路が作られています。はじめの池には鯉が泳ぎ、水草が浮いていました。察するところ、淡水のようです。

見てください!この広大な庭池!!歴史上の人物の功績の大きさを物語っているかのようです。しかし、写真に写っているのはまだまだごく一部。これだけの広さを管理するために雇った人も膨大な人数なのでしょうね。

庭園を歩いていると、庭木の新芽の鮮やかさに目を奪われます。暖かくなったいい時期、優雅なひとときを過ごせる日本庭園。う〜ん、とてもリッチな散歩だぁ〜。(^・^)

歴史ある日本庭園に来たからには、ちょっとアンティークにモノクロで撮影してみましょう。時代を目で感じるには、モノクロ写真がとてもいい雰囲気を醸し出してくれます。セピア調で撮影してしまうと、かえって作り物に感じてしまうのは僕だけでしょうか?

この庭園には茶室があり、その時代の有力者をここで接待した様が見受けられます。入り口を低くした茶室の中では、どんな階級の人も同じ境遇になれると言いますが、茶を飲むことは、やはり一般庶民には高貴すぎる事だったのでしょう。庭園が塀で囲まれていることが、それを物語っているかのようです。

池越しに見た本館。文化庁より登録有形文化財の指定を受けているとか。本館の中には数々の歴史上人物の扁額があり、伝統的日本建築の造り。さすがに風格を感じます。どの部屋も眺められる庭園の景観はとてもすばらしく、その作庭者のセンスと力も感じずにはいられないでしょう。


皆さん、今回少しだけ歴史のお勉強ができましたでしょうか?和歌山にもこんな文化財があるんですよ〜。今一度、皆さんの住む町の歴史を振り返ってみませんか?
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