■Canon EOS55 | |||||||||||||||||||||
僕がMZ−3を購入した当時、EOS55といえばアイコントロールなる機能を導入したハイテクカメラという印象が強かったが、銀塩からデジタルへと移行する人が爆発的に増え続ける近頃は、オークションでも非常に安価に手に入るようになった。 アイコントロールとは、いわゆる視線入力で制御するフォーカスのこと。シャッターボタンを半押ししながら見たものに自動でフォーカスしてくれる。キャリブレーションすれば、かなり正確なフォーカスも可能になるし、フォーカスしながらファインダー左上の四角を見ると、プレビューにもなる。なかなか小技を利かせたカメラだ。 MZ−3に比べるとボディが2周りくらい大きく感じるが、プラスチックなボディは、持ってみると意外に軽いことに少しばかりのギャップを感じる。 AEでのシャッタースピードは30秒〜1/4000秒と、MZ−3とほぼ同等だが、このEOS55は多重露光にも対応しているのがgood。
内臓ストロボはチュイーンと小気味の良いなめらかなチルトアップ動作をしてくれる。また、明るさも大きさも必要充分。これなら急場しのぎに実用できそうだ。 さて、この個体は購入当初、シャッター幕が黒い油のようなもので汚れていたため、シャッター動作がおかしかった。溶けたモルトプレーンが付いてしまったのかと思っていたが、ネットで調べてみると、どうやらこれはシャッター幕のショックを和らげるためのダンパーゴムが劣化により溶け出してシャッター幕に付着したようだ。 また、グリップのゴムも何だかベタベタとして手にまとわり付いて気持ち悪かった。拭いても改善しないのでどうしようかと思っていたら、この手の不具合はEOS55には良く起こることのようだ。 安価で対応してくれる修理業者にさっそくOHに出し、非常に良好に改善した。 APS−Cサイズのデジタル専用に開発されたレンズたちが出回るご時勢、このEOS55でそれらのレンズを使うと、顕著なケラレが生じてしまうこともあるようだが、銀塩には銀塩の良さがあり、それを思い出させてくれる一昔前のAFカメラでもある。 |
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