Canon EOS 40D
Tokina AT-X124PRO DX 12-24mm F4 ASPHERICAL[if]
F5.6 20sec.×186 ISO100 / 和歌山城
PENTAXとCANONの両刀で来ましたが、天体写真のウエイトが大きくなるにつれPENTAXのカメラを使うことが少なくなってきた。やはりマウントはひとつに絞った方が僕の撮影スタイルには合っている気がして、長時間露光時もノイズの少ないCMOSを搭載しているCANONのデジタル一眼レフに統一することにした。
しかし僕の手元には赤外カットフィルタを天体写真用のものに換装したKissDNが2台。やはり一般撮影専用にもっと高性能なカメラが欲しくなってしまい、40Dを購入した。

判りやすいモードダイヤル
中級機といえる
最高速1/8000sec.
6.5枚/1sec.の高速連写
3インチの大きなモニタ
電源スイッチが使いにくいが・・
電源をON・OFFのたびに
センサークリーニングしてくれる
KissDNに比べると2回りほど大きなボディ。重さもかなりなものだが、レンズを付けたときのバランスはとても気持ち良い。
シャッターは1/8000〜30秒。お手頃な価格の中級機とはいえ上級機種と同じ性能が備わっているので、様々なテクニックを駆使して撮影するヘビーユーザーにもこの40Dは対応してくれそうだ。
背面には3インチという大きなモニタが備わっていて、液晶も見やすく操作感は抜群。スピーディーに設定が行える。
電源をON・OFFするたびにセンサークリーニングをしてくれるのもありがたい。
そして画質に関しては、映像エンジンDIGICVを搭載し、より美しい画像を得ることができるようになり、またピクチャースタイルというコンセプトも取り入れ、自分好みのテイストに仕上げることが出来るのもアーティスティックな仕様といえよう。
天体写真への適正
天体写真では星雲の赤い色が綺麗に出ることを必要とします。しかし一般に販売されているデジタル一眼レフのローパスフィルタは星雲の赤い部分の光・Hαをほとんど通しません。そこでC−MOS手前に取り付けられているローパスフィルタをHαを通すフィルタに換装する方法があります。
しかしこの40Dにはセンサークリーニング機構が備わり、フィルタも二重構造になったので素人にはその改造はかなり難しくなりました。専門の業者に頼むのが良さそうです。
そしてその改造を得た後、天体写真への適正は他機種の群を抜く素晴らしいカメラとなりうるでしょう。

40DではPCに専用ケーブルで接続してEOS Utilityを使用することにより、様々なリモート撮影が可能になります。
まず、今までの機種では出来なかったリモートバルブ撮影が可能。撮影時間、インターバル、枚数など、必要枚数を撮影するための機能が備わっています。これでタイマーリモートコントローラやシェアウェアのカメラリモートソフトを使用せずにすみます。
リモートライブビューのボタン PC上の画面ではこのように
そしてリモートライブビュー。リアルタイムに表示される星を10倍に拡大して、テスト撮影。それを繰り返すことにより、ジャスピン位置を探し出し、かなり正確なピント合わせが可能になります。またこのライブビューはミラーアップ時に行われるので、そのまま静音撮影も可能。ミラーショックよるブレも極限まで防ぐことができると言う一石二鳥の機能なのです。
そしてリモートフォーカス。カメラレンズでの撮影においては、マニュアルフォーカスレンズであれば∞に合わせれば問題なく撮影できましたが、EFマウントではAFレンズしかありません。AFレンズは∞を過ぎてもピントリングが回る仕組みになっていて、正確なピントを出すには、そのジャスピン位置を探し出してから、その位置までピントリングを戻す必要があります。しかしこの位置はピントリングの移動量にすると1/10mm程度までの正確さが必要になり、そのような正確な移動はもちろん手では不可能なものです。おおよそで位置決めをしていた方も多いでしょう。
このリモートフォーカスは、マウスのクリックで微妙なピント位置の移動をすることが出来、目標のピント位置に正確に戻すことを可能にしてくれます。
リモートバルブ撮影・リモートライブビュー・リモートフォーカスを使用すれば、AFレンズでの撮影が驚くほどスピーディーかつ正確に行えるわけです。

望遠鏡を使用する直焦点撮影、カメラレンズを使用する撮影においても、また、星景写真撮影においても、このライブビューとリモート機能は非常に優れた操作性を発揮してくれることでしょう。
あとは改造するあなたの勇気が必要です。この便利な機能を活用し、ぜひ素晴らしい天体写真を撮影してみてください。
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